思い
行動が目立つ子どもや愛嬌がある子供は特に秀でたものがなくても学校と折り合いがつけられることが多いです。理解者を得やすく、結果として生きやすいからです。けれど教室の中で静かにたたずんで人に迷惑もかけないおとなしい子どもは本人の困り事に気付かれずに放置されてしまうことが多いです。また、思春期は親が子供の考えている事をとらえづらくなる一方で学校の勉強や人間関係は複雑になるため、本人の困り度はひっそりと加速をするのです。
なんとなく元気がなくなった、努力が結果に結びつきにくい、それらは困り事のサインであることが多いです。学校の勉強についていけない、友達づきあいがむずかしくなる、大学受験不合格、大学に入学はできたものの単位が取得しにくいなど、そこでようやく子どもの特性に周囲は気づくのです。
家庭では見えにくく学校では手が届きにくい子供たちを支えたい、そんな思いが深大寺・なるみ塾のスタートです。
勉強が好きでないけれど元気な子供は学習支援は必要ないでしょう。また、心身のエネルギーが低い場合は心のエネルギーの蓄えが先です。けれど、10代から20代前半までの大半の子どもたちにとって「勉強」は生活の中心であり、自尊心に直結する大きなテーマです。勉強がついていけないことがより一層彼らの元気を奪う側面があるのです。何も有名大学に受かりたいというわけではなく、みんなと同じ舟に乗りたい、ただそれだけなのです。今が充実している大人が励まそうという思いから軽く言ってしまう「勉強なんていらないわよ」という言葉の残酷さです。
処理速度が遅い、ワーキングメモリが弱いなどの特性がある子たちは、学習は集団では学べない(集団で学ぶ意義はあります)と実感しています。教員の力量不足だけの問題でなく、そもそも指示が入っていないのでそこでは学べないのです。そのため、なるみ塾では個人指導、数人の学び合い、そして、親御さんが「外の世界」と「子どもの気質」のよきバランサーになるお手伝い(家庭療育)を指導の基本としています。
キーワードは、思春期の子どもたちの発言を正しく解釈できているか、です。夫婦、保護者と学校、親と社会、親と子、どの場面においても、会話がコミュニケーションの基本ですが、皆、深層心理を隠して本音を話さずに作り笑顔で会話をしているのが現代です。子どもが真に考えていることを知りたい、そう思えたら指導スタートの時期です。お待ちしています。
自己紹介
成見知恵(中学・高校理科教員免許、特別支援学校教員免許)
子育てをしながら20年以上今も学校現場で理科(主に物理)を教えています。親として、地域の大人として、学校の中にいる教員として、学校外の福祉現場の学習支援員として、さまざまな教育のフィールドにいるからこその視点でなるみ塾を運営しています。社会福祉法人巣立ち会とも連携しています。
実践記録
乗り出す板プロジェクト
「オンライン授業を乗り越えて,今感じること」,物理教育第69巻1号(2021)
「自作すっとびボールが高く飛ぶ時と飛ばない時の理由(私の工夫・私の実践)」,物理教育第63巻2号(2015)
サイエンスカフェみたか アート&サイエンス講座(2018)
「力学の授業導入~カラフルな演示~」,理科教室(2016)
「授業で使える科学のはなし 重心を探そう!」,理科教室(2019)
カラフル・サイエンスコミュニケーションの実践
消しゴムハンコ作り
科学グッズ『どこでも吸盤』のデザイン
その他,国立科学博物館等,各地で実験教室講師もしています。